助産院での出産
2018/06/08
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横浜のアロマセラピストnicoです。子どもの発達を支援するセラピストを目指してただいま勉強中。50歳を過ぎてもまだまだ成長途中です。子育てをする中で感じたこと、勉強して知ったことを見聞録的に綴っています。
助産院での出産
私は息子を助産院で産みました。 なぜ助産院を選んだか? 大きな声では言えませんが、その頃読んでいた漫画に「助産院においでよ」というのがありまして、その中で助産院での出産に関しての知識を得て、会陰切開も導尿もしない自然なお産というのに憧れたのです。 運良く近くに助産院がありましたので、そこでお世話になることにしました。 建物は古びていましたが、ベテランの助産師さんたちが温かい雰囲気で迎えてくれて、「この人たちはプロ集団だ!」と安心感を感じましたので、「絶対ここで産む!」とすぐに決めました。 助産院では、お産に問題がなさそうと判断された場合しか産めませんので、途中2回か3回近くの総合病院で検診をしてもらわないといけません。 検診先の病院では、「ちょっと頭が大きいかも」と言われ、その一言に「え?ちょっと気になるということですか?」と聞いてみても、「出産は生まれるまで何があるかわかりませんからねー」と言った先生、確かにそうなんでしょうけど、初めての出産、しかも35歳という当時としては高齢出産だったのですから、もうちょっと安心させるような言い方してよ・・・と不安な気持ちを抱えて助産院に報告に行きました。 しかも、「なんで助産院で産むの?病院で産んだ方がいいんじゃない?」なんて言うし・・ 助産院に行って不安な気持ちを言うと、「あれ?あの先生、そんなこと言ったの?大丈夫大丈夫。うちね、高齢出産の人が多いから、先生たちも心配なんだよねー。 Rinさんは35歳で初産だから、うちで受けられるギリギリだからねー」なんて明るく言ってくれるものだから、不安が吹っ飛びました。 ここの助産師さんたちの「大丈夫大丈夫」がどれほど心強かったことか。 私は自分のお産がどんなふうになるのか、楽しみでしかたなかったし、お産までのわくわくを抱えたまま、出産にのぞむことが出来ました。出産までに体験したいろいろなこと
「助産院で産むなんて大丈夫なの?何かあったらどうするの?」と心配してくれる人も多かったのですが、私自身は全然心配がありませんでした。 助産院だって、ちゃんとエコーとかあるんですよ。 そこで赤ちゃんの成長具合を確認してもらいながら、出産に向けた母体作りを助けてもらいました。 その助産院では、「イトオテルミー」というお灸のようなものでおなかや腰を温めてくれましたし、出産間際になったら乳腺が開くようにおっぱいのケアもしてくれました。 途中タンパクが出たことがあったのですが、「どうしたらいいですか?安静にしたほうかいいですか?」と聞くと、「安静になんてしたら本当に妊娠中毒症になっちゃうからね。とにかく歩く!」とスパルタ指導を受けました。 私は子どもの頃に腎臓が悪かったので、まあ想定内って言えば想定内なのですが、実家から腎臓にいいっていう鯉を送ってもらったり、とにかく歩くことを心がけました。 私はしませんでしたが、同い年の妊婦さんは、しゃがむ格好が出産を楽にするからと、助産院近くにもう1軒持っていた施設の庭を、鎌で草刈りさせられていました なんせ陣痛の間隔が10分になっても、赤ちゃんが降りてこないと出産にはならないからと近所を歩かされる、と言うのを聞いていましたから、人任せではなく、「自分で産む!」という意識はだんだん高まっていきました。 イトオテルミーの他にも、ヨモギ蒸しのようなもので温めてもらうこともしましたし、お灸教室もありました。 出産直前は、赤外線のドームみたいなのに全身すっぽり入って身体を温めるために毎日助産院に通うように言われ、大きなおなかを抱えて、片道50分の道のりを毎日歩いて往復していました。 桜吹雪の中、道ばたに咲くタンポポや小さな花を見つけながら歩くのは、とても気持ちが良くて穏やかな気分になりましたし、出産という未知の経験がどんなものになるのかと、本当にわくわくしました。 こわいという思いは一切なくて、私は自分の脳天気ぶりに救われました 余談ですが、「明日から臨月です」という時まで、電車で1時間かけて毎日バイトに行っていましたが、電車で席を譲られたのは、たった1度だけ。それも若い男の子でしたから、その子の気持ちが本当に嬉しかったですね。次が降りる駅だったのに、断り切れずに座らせてもらいました 私自身は全然元気でしたから別に座りたいとも思いませんでしたが、私が前に立つとみんな寝たふりをして、「都会の人って疲れてるんだなー」って思いましたね、その時。 今はおなかが大きい人に席を譲る光景を時々見かけますので、私はよっぽど元気そうな妊婦に見えたのだと思います満潮で出産?!
診察室には潮の満ち引きの時間がわかるカレンダーがかけてありました。 もしかして月の満ち欠けもそのカレンダーに書いてあったかもしれませんが、それは忘れました。 出産は満潮時と聞いていたので、なんとなく出産は早朝か夕方くらいの時間が多いと思っていました。 満月でも生まれやすいって言いますよね。 息子が生まれた日はどうだったかしらと今調べてみたら、おお!!まん丸満月の日に生まれてる! やっぱり自然ってすごいなあと、何年ごしかで知った事実・・・感動 夜中の12時過ぎに破水が始まって、助産院に電話したら、「様子を見てみて、何かあったら、夜中でもすぐ電話下さいね」と助産師さん。とりあえず明日には生まれてるかなあなんて楽しみに思いながら布団に入りました。 しばらくすると陣痛が始まり、自分なりに「ヒッヒッフー」なんてやりながら横になっていたら、なんと、明け方3時間くらい眠ってしまっていました。あはっ 朝になり、8時頃助産院に電話すると、「まだ生まれないと思うけど、一応診せてもらうから、診察に来て-」と言われ、10時に予約して、夫には「今日生まれそうだから会社休んで」って伝えて、夫の車で助産院に向かいました。 検診のつもりだったから、入院の準備はしていたのに、「まだ生まれるわけない」と思っていたアホな私は、なんと手ぶらで向かったのです! そしたら、もう大変車の中でお産が進み、車でわずか15分もかからない道のりをワーワー叫びながら向かうことになったのです。 運転していた夫は気が気じゃなかったことでしょう。 助産院に着いても、「もう降りられない・・無理・・」という痛みの一瞬のすきをついて、助産師さんに手を引かれながら歩いて処置室に向かうと、「あー、もう頭が見えてるから、このまま出産ね」となりました。うっそ! 私は希望していましたが、あんまり気乗りしていなかった夫は、有無を言わさず強制的に立ち会いとなりました。 処置室のベッドから、和室の布団に移動し、その和室で膝立ちをして座って夫にしがみつく格好で出産したと思います。 「この子は生まれて来ようとする力が強いね」と助産師さんが驚いていて、朝10時に助産院に着いて、2時間後のお昼12時過ぎに生まれました。 あんなに満潮の時間を気にしていたのに、後で聞いたたら、「あー、どしゃ降りの日は狂うことあるんだよねー」だそうです。そんなあ・・ しかも真っ昼間に生まれた息子は、出産費用の面でも夜間手当とかが付かず一番お安く済んだので、「親孝行だね」と助産師さんたちに言われました。へその緒が巻き付いていました
そんなふうに、痛かったけれども、お産自体は楽でした。 ただ、生まれた子どもはへその緒が首に二重に巻き付き、全身紫で、産声を上げませんでした。 「泣かない・・・」と心配する私をよそに、助産師さんはサッとへその緒を切り、息子を処置室に連れて行ってしまいました。 そして、1,2分したらやっと「ほんぎゃ~」という鳴き声が聞こえて、心底ホッとしました。 助産師さんに、「大丈夫でしょうか?脳に影響したりすることないんでしょうか?」と聞くと、 「大丈夫。生まれて3分が勝負だけど、完璧な処置をしているから、大丈夫!」と言ってくれ、本当に心強かったです。 まあ助産師さんとしては、そう聞かれたら内心心配でも「大丈夫!」と言わざるを得なかったでしょうけど、ここの助産師さんを心から信頼していた私は、その言葉に心配は吹き飛びました。 助産院の売りである「立ち会ったパパがへその緒を切る」という儀式も赤ちゃんとの感動のご対面もすっ飛ばして、呆然としている夫にテキパキ助産師さんは「パパ手伝って」と後産で胎盤が出てくるところまで見せられるという気の毒な状態になりました。 「はい、時間教えて」と助産師さんの補助をさせられる夫・・・お気の毒様でした 会陰切開は無かったので、ちょっと裂けたそうですが、「クリップ1個で止めといたから。明日にはそのクリップも取れるからね。二人目産むときには、裂けないからね-」と言うことでした。どんなクリップだったのかはわかりませんでしたが、おかげさまで痛みもなく、ドーナツ座布団も必要なかったです。 本当に次の日にはそのクリップとやらをはずしてもらいました。 そんなこんなで助産院に着いて2時間で出産したのですが、手ぶらで来ていた私は、当然何も荷物がなく、助産院のパジャマを借りることになったのです。ああ、間抜け過ぎる・・・ 夫はしばらくしたら、私の入院セットを取りに一旦帰りました。 荷物を持って、夕方義母を連れてまた来るからということでした。 出産した部屋は和室の畳の部屋で、布団の上で産みました。 そのままその部屋で入院することとなり、もちろん赤ちゃんは最初から同室です。 で、出産してすぐだというのに、お昼ご飯が出て来ました。 出産は病気じゃないと言うものの、ん?こんな出産直後にご飯食べるの?うーん、起き上がれないのに、どうやって食べるんだ?夫はもう居ないから食べさせてもらえるわけでもないし・・・座るのかな??とあれこれ悩みましたが、なんとか出されたお昼ご飯は食べました。どうやって食べたんでしょうね、忘れましたけど じゃあ、少し休んでねって言われたので、少しお昼寝しました。 助産師さんに、「そうは言っても、みんなあんまり寝られないのに、本当に寝る人は珍しい」と笑われました。 そんなこんなでこの世に生まれてきてくれたWELCOME! な感動もそこそこに、バタバタと息子との新生活が始まったわけです。 続く・・・
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横浜のアロマセラピストnicoです。子どもの発達を支援するセラピストを目指してただいま勉強中。50歳を過ぎてもまだまだ成長途中です。子育てをする中で感じたこと、勉強して知ったことを見聞録的に綴っています。